2009年1月7日水曜日

今年、初上京。

年が明けてから、1日おきに出かけたり、家に引き篭ったりと、交互で毎日を過ごしている。私の2階の部屋の窓からは、家の庭と隣の家の裏側と空しか見えないのだけれど、ここ最近、その空の様子が、なんとなく春めいて見えることがある。季節も変わっていくし、健康な人たちは、仕事も始まったんだなぁ、と思うと、取り残されているようで寂しい。このままでは、職業がガン患者になってしまいそうだ。体調は低め安定。この先、体調が良くなる、という見込みは薄いけど、家で、ぶらぶらしていては、ますます病人モードになってしまうし、暇でしょうがない。無為な毎日を送っているようで、辛いし。幸い、薬で傷みをコントロールすることには慣れてきたし、週3日でも、働けるうちは働かせてもらえないか、会社に聞いていてみようか思案中。

ところで先日、妹に箱根まで日帰りドライブに連れていってもらった。圏央道が開通したおかげで、途中休憩を取りながらも、家から2時間強で到着。近さに、驚愕! 箱根は川越からも楽勝で日帰り圏内だった。しかし富士山が見える露天風呂があるホテルで入浴、が目的だったのに、到着したころに、ちょうど曇ってしまい、富士山は見えず。残念だったけど、お正月に箱根という非常に一般的なことを初めてしてみて、なんとなく満足。帰路、腹痛が起こるが、オキノームという緊急用痛み止めを飲んで、なんとか堪える。

そして、本日は、がんセンターへ。電車に乗ったのも久しぶり。通勤ラッシュを外せば、座れるので多少楽だ。血液検査の結果、白血球も血小板も通常値まで戻っていたので、抗ガン剤投与を行う。ただし、体内の炎症度を示すCRPは0.7。健常値は、0.1以下なので6倍だ。自分の体が可哀想にになる・・・。
今日はベッドが空いていなかったので、リクライニングチェアで投与。ベッドのほうが人気が高いみたいだが、こちらのほうが気楽な気分で受けられるので、私は、チェアのほうがいいかもしれない。先生は、いつものとおり。無駄口は一切ない。必要なことを、淡々としゃべるかんじ。医師に精神的フォローを求めるのは、間違ってるとわかっているけど、雑談くらいは聞いて欲しい気がする。そして、病院で医師にかかっているのに「どうしたら治るんですか?」と聞けないのは結構辛い。聞いたところで、それはだだをこねるようなものになってしまう。腹水などの対処療法を聞いても、根本的な解決方法がないので、答えは「利尿剤と痛み止めで様子をみましょう」のみ。腹水を抜いても、ガンであるかぎり、またすぐ溜まってしまうので、キリがないそうだ。この先、悪化していったらどうなるのかは考えたくもないし、怖くて聞けない。先生は、今後の展開の予測はついているのだろうけど、何も言わない。先行きの暗いことを患者に言わないのがセオリーなんだろう。

死の覚悟なんて、やはり自分には出来ていない。多少でも出来てるつもりだったのは、悟りじゃなく気取りだったと思う。モルヒネが効いて苦痛のない時間に、死ということを思いだすと、健康な人と同じように嫌な気持ちになる。人間なんて現金なものだ。

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