2008年11月24日月曜日

穏やかな日

もう11月も下旬なんだな。告知されて以降、時間がたつのがあっという間だった。年末になるなんて実感はどこにもない。仕事の年末スケジュールもないから、いっそうそう感じるのだろうか。

薬さえ効いていれば痛みもなく、ガンだということを忘れるくらいの穏やかな日。キャロル・キングのCDを聴きながら入院の準備。ガンじゃなかったら、今ごろ何をしていただろう? あの会社で仕事しながら、温泉旅行のプランでも練って、買い物やエステに行って・・・。ふと、そんな気持ちに浸ってみたあとで、現実に目を向けろ、と自分で自分に言い聞かせる。この先病状が悪化したときのために、今できるだけの準備をするのだと。追い払いたい暗い想像も、そのためには必要なことなんだろう。でももう、いろいろ調べたり準備したり交渉したり、何もかも頑張っていることに、とても疲れてきた・・・。抗ガン剤治療にもいつまで耐えられるだろうか・・・。

昨日は、会社のNさんが川越までお見舞いに来てくれた。私はもう、歩き回る体力がないため、川越を案内できず、ほとんどお茶していただけで、申し訳なかった。相変わらず、明るくて面白いNさん。そんな彼女も会社や仕事のことで悩みがあるようだけど、私のように病気にならないうちに、うまくストレスをコントロールして、幸せに生活していって欲しいと思う。

宮沢賢治は37才で肺炎で亡くなったが、彼の闘病中に、以下のような詩がある。

「夜」

これで二時間
咽喉からの血はとまらない
おもてはもう人もあるかず
樹などしづかに息してめぐむ春の夜
こここそ春の道場で
菩薩は億の身をも棄て
諸仏はここに涅槃し住し給う故
こんやもうここで誰にも見られず
ひとり死んでもいいのだと
いくたびさうも考えをきめ
自分で自分に教えながら
またままぬるく
あたらしい血が湧くたび
なおほのじろくわたくしはおびえる

なんか私、暗くなってますね。いかんいかん。それにいくら考えたって私は死なずに生きたいんだし。いくらガンでも、もっと前向きにアクティブに生活しなくては。そうしたほうが、この先どうなろうが、日々を充実させてるってことになるんだろうし。
早く会社に行って、少しでも仕事をしよう。ずっと家にいると、ますますくさっちゃう。旅行でも行ければいいけど、そうじゃないから、さすがに長い休みにも飽きてきた。私も小説でも書こうかな。まぁ、書いても生きてるうちに出版できる保障はないけど。同じく膵臓がんの中島梓のブログを見ていて、50代の彼女のほうがアクティブに生きているので、ちょっとショックを受けた。私もなんか楽しみを作りましょう。そうしないと、ほんとにすぐ死んじゃうぞ!

1 件のコメント:

alz さんのコメント...

明日、世界が滅びるとしても
今日、あなたはリンゴの木を植える

という言葉があります。