2009年2月26日木曜日

手探り

今週は、ジェムザールを投与していない。ガンは大きくなっているのだろうけれど、副作用が抜けて気分だけは爽快だ。かったるさもなく、1日中起きていられた。集中力も出てきて、溜まっていた事務処理や書類整理も片付く。最近、副作用の続く期間が長かったので、この落差には改めて驚く。健康だったときは、これが普通だったのに、その感覚を、すっかり忘れていた。副作用によるQOLの低さを、あらためて実感してしまう。気力の低下のせいで、気にかけてくれている友人知人たちへの連絡も不義理を重ねてしまっている。この場を借りて、お詫びします・・・。ごめんなさい。
それにしてもガンだけなら、まだこれだけ動けるんだ・・・。具合の悪さの90%以上は、副作用だった。とはいえ、抗ガン剤のおかげで、腫瘍を抑えている部分もあるのだし、どうしようもないですね。こういう梅雨の晴れ間のときを、有意義に過ごすようにして、1日1日を大切にするしかないです。もう少し暖かくなってきたら、できるだけ外出も増やしたい・・・。

それにしても、次の一手をどうしようか。やはりTS-1だけでは心元ないので、別の抗ガン剤の併用も試したいと、気持ちが変化してきました。第2ラウンドに突入です。問題は、それをどこの病院で受けるか・・・。体が持つまで抗ガン剤を試すのか、QOLを重視して抗ガン剤を拒否するのか、人それぞれに重い選択です。ガンは、その治療方法の選択にも、人間性が問われてしまう。その人を取り巻く環境にも、今までの行き方が反映されて、選択肢が違ってくる。人事を尽くして天命を待つ、という格言を久しぶりに思い出しました。
正岡子規の「病床六尺」というエッセイの中の、病状末期に、以下の言葉があります。

「悟りといふ事は如何なる場合にも平気で死ぬる事かと思って居たのは間違ひで、悟りといふ事は如何なる場合にも平気で生きている事であった」

この言葉を噛み締めつつ・・・。

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