2009年2月24日火曜日

新しい治験

昨日のCTの結果、原発の膵臓がんの大きさは抑えられているものの、肺転移したガンが広がっていた。ジェムザールの効きが悪い状態にあるらしい。まだ使用して2ヶ月半だったので、耐性ができたのか、もともと効いてなかったのか、よくわからない。あわよくば、ジェムザールで1年ぐらい生きよう、と思っていたので、早くも手段がひとつ減り、落ち込む。とにかく私には、効き目薄と言わざるをえないので、ジェムザールは一旦中止となった。そこで次の手はTS-1に移行かと思っていたら、今年の2月から、以下の治験がスタートしたとの案内をもらう。ヤクルト主催の治験で、すでに実施している他の病院もあるそうだ。

<ゲムシタビン耐性膵癌患者に対する、TS-1療法とTS-1+オキサリプラチン(L-OHP)併用療法の無作為化比較試験>

文字通り、①TS-1単体か、②オキサリプラチンとの併用か、のどちらか(治験なので自分で選べません)。②の組み合わせは、大腸がんの患者さんに対してはすでに治験として実施済み。もらったパンフレットには色々と詳細が書かれていたが、とても書ききれないので、詳しいことを知りたい方は、がんセンター中央病院の治験事務局に問い合わせてみてください。
オキサリプラチンは、膵臓がんには保険適用されていないけれど、全額自己負担なら、使用してくれる病院もある。ただし、金額を調べてみたら、100mg=約7万円(100mg:大体1回の投与量)。治験ならこれが無料で、さらにTS-1&血液検査&CT検査の費用が無料、1日の交通費7千円も付いてくる!
とはいえ抗ガン剤をダブルで使用すれば、ダブルの効果も期待できる代わりに、当然ダブルの副作用も出る。そして②もまた、治癒するわけではなく、延命の可能性の追求、といった段階。ジェムザール+TS-1の治験にも尻込みし、ジェムザール単体の副作用でも辛い、と感じていた私は、ダブル使用にちょっと後ろ向きですが、返事は保留して帰ってきました。ただいま検討中。とはいえもちろん、可能性があるから治験を実施するわけで、参加したい患者さんもいっぱいいるでしょう・・・。ジェムザールとオキサリプラチンの併用治療の治験は、数年前に海外で行われていたようだが(http://www.gsic.jp/cancer/cc_12/trt/02.html)今、日本では標準的に行われていないのは、めざましい結果がなかったから? それとも保険が効かないから? 素人の私がいくら考えてもわからない。命のかかった大きな賭けなのに、検討するために参考にする情報すら少なく、結局は自分の直感に従って決めるしかなさそうです。

それにしても、本当にどうやったら、膵臓癌は小さくなってくれるんだ(;;)。私はすでに普通の生活を送れない状態だけれど、たとえ延命策でしかなかったとしても、半年~1年ぐらい、癌を抑えてくれるクスリがあれば、やはりありがたいと思う。その間、痛みもなく海外旅行できれば、更にラッキー。3ヶ月で世界一周とかね。とにかく、もう一度生活を見直して、少しでも免疫力をUPさせるように努力してみよう。

病院からの帰路、銀座の三越から有楽町の駅まで、歩いた。会社帰りのサラリーマンやOL、きらびやかなショーウィンドー、レストランやバーのネオン。囲まれて歩きながら、自分も半年前には、こうやって銀ブラしたり、友人と待ち合わせて飲みに行っていたのに、と思うと少しだけ涙が出た。やっぱり生きていたい。
そして立ち寄った本屋で、「さよなら絶望先生」第16巻のコミックスを買う。ずっと買い続けていたコミックスだったのだが、昨日、気づいた。主人公のビジュアルが、その髪型といい、メガネといい、私の担当医にそっくりだ! キャラクターや設定(絶望先生は高校教師で、本名は糸色望。ギャグ漫画)はまったく違うのだが、よりよって「絶望先生」・・・。なんだか縁起が悪い(笑)。

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