2009年2月26日木曜日

手探り

今週は、ジェムザールを投与していない。ガンは大きくなっているのだろうけれど、副作用が抜けて気分だけは爽快だ。かったるさもなく、1日中起きていられた。集中力も出てきて、溜まっていた事務処理や書類整理も片付く。最近、副作用の続く期間が長かったので、この落差には改めて驚く。健康だったときは、これが普通だったのに、その感覚を、すっかり忘れていた。副作用によるQOLの低さを、あらためて実感してしまう。気力の低下のせいで、気にかけてくれている友人知人たちへの連絡も不義理を重ねてしまっている。この場を借りて、お詫びします・・・。ごめんなさい。
それにしてもガンだけなら、まだこれだけ動けるんだ・・・。具合の悪さの90%以上は、副作用だった。とはいえ、抗ガン剤のおかげで、腫瘍を抑えている部分もあるのだし、どうしようもないですね。こういう梅雨の晴れ間のときを、有意義に過ごすようにして、1日1日を大切にするしかないです。もう少し暖かくなってきたら、できるだけ外出も増やしたい・・・。

それにしても、次の一手をどうしようか。やはりTS-1だけでは心元ないので、別の抗ガン剤の併用も試したいと、気持ちが変化してきました。第2ラウンドに突入です。問題は、それをどこの病院で受けるか・・・。体が持つまで抗ガン剤を試すのか、QOLを重視して抗ガン剤を拒否するのか、人それぞれに重い選択です。ガンは、その治療方法の選択にも、人間性が問われてしまう。その人を取り巻く環境にも、今までの行き方が反映されて、選択肢が違ってくる。人事を尽くして天命を待つ、という格言を久しぶりに思い出しました。
正岡子規の「病床六尺」というエッセイの中の、病状末期に、以下の言葉があります。

「悟りといふ事は如何なる場合にも平気で死ぬる事かと思って居たのは間違ひで、悟りといふ事は如何なる場合にも平気で生きている事であった」

この言葉を噛み締めつつ・・・。

2009年2月24日火曜日

新しい治験

昨日のCTの結果、原発の膵臓がんの大きさは抑えられているものの、肺転移したガンが広がっていた。ジェムザールの効きが悪い状態にあるらしい。まだ使用して2ヶ月半だったので、耐性ができたのか、もともと効いてなかったのか、よくわからない。あわよくば、ジェムザールで1年ぐらい生きよう、と思っていたので、早くも手段がひとつ減り、落ち込む。とにかく私には、効き目薄と言わざるをえないので、ジェムザールは一旦中止となった。そこで次の手はTS-1に移行かと思っていたら、今年の2月から、以下の治験がスタートしたとの案内をもらう。ヤクルト主催の治験で、すでに実施している他の病院もあるそうだ。

<ゲムシタビン耐性膵癌患者に対する、TS-1療法とTS-1+オキサリプラチン(L-OHP)併用療法の無作為化比較試験>

文字通り、①TS-1単体か、②オキサリプラチンとの併用か、のどちらか(治験なので自分で選べません)。②の組み合わせは、大腸がんの患者さんに対してはすでに治験として実施済み。もらったパンフレットには色々と詳細が書かれていたが、とても書ききれないので、詳しいことを知りたい方は、がんセンター中央病院の治験事務局に問い合わせてみてください。
オキサリプラチンは、膵臓がんには保険適用されていないけれど、全額自己負担なら、使用してくれる病院もある。ただし、金額を調べてみたら、100mg=約7万円(100mg:大体1回の投与量)。治験ならこれが無料で、さらにTS-1&血液検査&CT検査の費用が無料、1日の交通費7千円も付いてくる!
とはいえ抗ガン剤をダブルで使用すれば、ダブルの効果も期待できる代わりに、当然ダブルの副作用も出る。そして②もまた、治癒するわけではなく、延命の可能性の追求、といった段階。ジェムザール+TS-1の治験にも尻込みし、ジェムザール単体の副作用でも辛い、と感じていた私は、ダブル使用にちょっと後ろ向きですが、返事は保留して帰ってきました。ただいま検討中。とはいえもちろん、可能性があるから治験を実施するわけで、参加したい患者さんもいっぱいいるでしょう・・・。ジェムザールとオキサリプラチンの併用治療の治験は、数年前に海外で行われていたようだが(http://www.gsic.jp/cancer/cc_12/trt/02.html)今、日本では標準的に行われていないのは、めざましい結果がなかったから? それとも保険が効かないから? 素人の私がいくら考えてもわからない。命のかかった大きな賭けなのに、検討するために参考にする情報すら少なく、結局は自分の直感に従って決めるしかなさそうです。

それにしても、本当にどうやったら、膵臓癌は小さくなってくれるんだ(;;)。私はすでに普通の生活を送れない状態だけれど、たとえ延命策でしかなかったとしても、半年~1年ぐらい、癌を抑えてくれるクスリがあれば、やはりありがたいと思う。その間、痛みもなく海外旅行できれば、更にラッキー。3ヶ月で世界一周とかね。とにかく、もう一度生活を見直して、少しでも免疫力をUPさせるように努力してみよう。

病院からの帰路、銀座の三越から有楽町の駅まで、歩いた。会社帰りのサラリーマンやOL、きらびやかなショーウィンドー、レストランやバーのネオン。囲まれて歩きながら、自分も半年前には、こうやって銀ブラしたり、友人と待ち合わせて飲みに行っていたのに、と思うと少しだけ涙が出た。やっぱり生きていたい。
そして立ち寄った本屋で、「さよなら絶望先生」第16巻のコミックスを買う。ずっと買い続けていたコミックスだったのだが、昨日、気づいた。主人公のビジュアルが、その髪型といい、メガネといい、私の担当医にそっくりだ! キャラクターや設定(絶望先生は高校教師で、本名は糸色望。ギャグ漫画)はまったく違うのだが、よりよって「絶望先生」・・・。なんだか縁起が悪い(笑)。

2009年2月22日日曜日

気の持ちよう。

今日はやや復活して体調がよく、人間に戻れたかんじ。病気が治ったような気さえする。それにしても1週間のうち、調子がいいのは2~3日、なのはやはり悲しい。抗ガン剤の副作用が累積すると精神的にも悪化するので、気力を保つために、日常生活にいろいろ工夫が必要だと実感する。

友人の薦めで、この歳になって、初めて落語を読んでみた。志ん生の「滑稽本」。面白い! こんなに面白いものだったとは。CDも聞いてみよう。笑いは病気にもいいということだし。新しく趣味にできそうなものを見つけて、ちょっとラッキー。
本日、久しぶりに外出もして、いろいろ発見する。コンビニの酒コーナーで、キリンビールの新しいパッケージ(昭和ラガー、とか)を見つけた。私が知らなかっただけだろうが、いつの間にこんなものが。また、近所のゴルフの打ちっぱなし場が、取り壊されていた。ホームセンターになるらしい。見舞いにきてくれた友人から“ミネラルファンデーション”“電動マスカラ”など最近話題の化粧品情報など聞く。こういう他愛のない話を、見たり聞いたりするのが、今は楽しい。女性の(私の?)一番のストレス解消法は、やはりおしゃべりすることのようです。外出も少ないので、新しい洋服も買わないでいたけれど、春のワンピースの1着ぐらい買おう。

2009年2月21日土曜日

ウクライン

この日の文章の中で、不確実な情報の掲載があったため、削除しました。(^^;

2009年2月20日金曜日

副作用

今回、抗ガン剤の副作用の影響が強くでたようで、倦怠感が抜けず、3日間、ほぼベッドの中だった。さすがに3クール目に入って、体力も持たなくなってきているのだろうか。今後の抗ガン剤治療について、医師とよくよく相談しなければ、と思う。
寝っぱなしは良くない、と自分を奮い起こして、ヨロヨロと部屋の掃除をしていたら、期限切れのパスポートを発見した。海外旅行云々、などとブログに書いていたくせに、パスポートの期限が切れていた。今日午後、リハビリがてら駅前のパスポートセンターまで出かけてみよう。
ところで今日、地元では、この冬始めての雪が降ったけれど、すぐ雨に変わってしまった。この冬は、ちゃんとした雪景色を見ないまま、終わりそうです。

2009年2月17日火曜日

今のところ

昨日は、抗ガン剤の日。毎週水曜日に投与していたけれど、先週は水曜が建国記念日で祝日だったため、ずれて月曜になった。まだ、がんセンターです。
まずは、前回ようやく調べてもらった、2月の腫瘍マーカーの結果。

CEA    1.1(健常値:5.0ng/m以下)
CA19-9  55(健常値:37U/ml以下)

二つとも、昨年12月の数値と比べて、ほぼ横ばい。CEAには、もともと一度も反応したことがなく、CA19-9の数字もガン患者にしては低いほうらしいが、特に減っている、というわけでもない。抑えられている、という見方はできるだろうけれど、無治療だったとしても、この数字かもしれず・・・。腫瘍マーカーの数値ををあてにしてない、というだけあって、先生のコメントはなし。減ろうが増えようが、一喜一憂しないことにしているそうです。でも、私は判断基準にさせてもらいます。自分の本当の主治医は自分だ、と開き直りました。しかし今回、それよりも不気味に感じたのが、血液検査のCRP(炎症値)と白血球のUP。

CRP/08年12月:0.5、09年2月:1.4(健常値:~0.1mg/dl以下)
白血球/なぜか今回:8.1(健常値:3.9~6.3×1000/u1)

炎症値が、じわじわと確実にUPしているのは、腫瘍による体内のダメージが拡大しているのだろうと推測するし、そのダメージと戦うために、抗ガン剤投与をしているにも関わらず、白血球が増えている可能性もある。私のこの見方について、先生の返事は「う~ん。そうかもしれませんね」といったところ。おそらく同意見なのだろうが、憶測で悪いことを言いたくない様子。とにかく、来週のCTの結果を見て判断する、とのこと。痛みは増大しているし、あまり良い結果が出るとも期待できなくて、正直今から怖い。結局、私はあまりジェムザールが効かないタイプなのかもしれない・・・。とりあえず今回、先生に頼んで、投与量を8割の1300mlまで減らしてもらった。来週は、もっと減らしてもらおうかと思っている。効いてないのに、毒だけ入れてもね・・・。とういうか効いてなかったらTS-1に変更になるのか。
ところで、先生との問診に、看護士さんに同席してもらうようにしたところ、別人のように先生の態度が違う。終始にこやかで、受け答えも丁寧になり、先方から雑談も飛び出す。PCの画面より、私の顔を見るようになった。やればできるんなら、最初からそうして欲しかったですね。いかに私がなめられていたか、ってことでしょうか。その中で出た話について。

<がんセンターの独立行政法人化について>
あくまで、世間話の範囲です。信憑性については保障しません。2010年4月よりスタート。病院が、より利益を出す体質へ変換することや、入院日数の短縮が求められるだろう。また、今までのように病院の持ち出しでやっていた治験も減る可能性が高い。職員のリストラも予想される。大体、週刊誌に書いてあることと同じ。

<ペプチドワクチンのその後>
がんセンターで、ペプチドワクチンをやっている患者さんの様子を尋ねた。肝臓ガンでは、奏効性が認められたが、膵臓がんでは、結果が出せたとは言えないレベル。またワクチン注射の辛さに耐えかねて、二人の患者さんが途中リタイアした、とのこと。ワクチンは、2週間ごとに4本(両腕&両足)の注射をしなければならず、それ以外にジェムザールの点滴と、採血の注射があるわけだから、注射嫌いの私の場合も耐えられない気がする。

<オキサリプラチン>
がんセンターでも、膵臓がんにオキサリプラチンの使用は可能らしい。

ところで、ここ最近、ブログにいくつかコメントの書き込みをいただき、ありがとうございます。最近、闘病にも息切れして弱気になってきていたので、大変励まされました。私は、病人歴がまだ短く初心者なので、より長期戦で病気と戦っている先輩からの意見は大変参考になるし、心の支えにもなります。今後とも宜しくお願いします。私もこの辺で、長期戦になるつもりの心構えにシフトしたいと思います。

2009年2月14日土曜日

暑い一日

今日は、最高気温25度(?)ということで、5月中旬並みの陽気。やはり、寒いより暖かいほうがいいなぁ。なんとなく気持ちまでアクティブになるし。2月も半分過ぎたし、これで2009年も1ヵ月半、生き延びたことになる。
最近は、1日寝ていたら翌日出かける、というような1日おきの生活です。残り少ない人生を、寝て遊んでばかりでいいのか、と思いつつも、なかなか有効な時間の使い道も思いつかず・・・。思い切って長期の旅行をしたいけれど、自分で自分の来週の体調がわからないので、ジレンマが続いている。
私は、もともと旅行好きで、仕事の出張も含めれば、国内&海外とちょこちょこ出かけていました。イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ギリシャ、オーストリア、スイス、アメリカ(西海岸&ハワイ)、ベトナム、台湾、インドネシア、タイ、香港etc。2回3回と訪れた国もあるが、もちろん、まだまだ行きたい場所は沢山あって、インド、中近東、南アメリカ、アフリカなど数え上げればキリがない。ニューヨークも行ったことがないし、四国にも行ったことがない。もし平均寿命まで生きたとしても、行きたい場所全部に行くことはないだろうし、どれだけ旅行したかなんて、程度の問題だけれど、あと1回しか行けないとしたら、どこにがいいだろう。抗ガン剤治療をしている以上、最長でも10日間ぐらいの旅行しかできないし、医療レベルが低い国、遠い国(フライトが片道10時間以上)、英語が通じない国、などは現実的にダメでしょう。
2年前、カンヌに出張したときのことは、まだ鮮明に覚えている。MIPという国際映像見本市に、企業ブースを出展したときのスタッフだった。会場が、あの国際映画祭と同じ場所だったので「ここにレッドカーペットが敷かれ、あの有名俳優達が・・・」など、おのぼりさん気分で会場を眺めながら仕事をし、豪華なクルーザーが並ぶ海を眺め(眺めただけ)、夜は、迷路のような旧市街の石畳を歩きながら、スタッフ仲間と美味しい店の食べ歩きをしていた。あのころ、2年後に自分が癌を発病するとは、夢にも思っていなかった。人生って、先のことは本当にわからないもんですね・・・。

旅行に行けない代わり、でもないけれど友人に付き合ってもらいつつ、映画を2本観る。「マンマ・ミーア」と「少年メリケンサック」。どちらもアタリでした。「マンマ・ミーア」はサントラも買ってしまった。映画を見たついでに、CDショップを覗いたら、入り口前の平台に「マンマ・ミーア」とABBAのCDが並べられ、車に乗ってラジオをつけたらABBAが流れていた。こんなに流行っていたとは、半引きこもり生活なので、気づかなかった。「マンマ・ミーア」は、ギリシャの島が舞台だったので、リゾート気分にも浸れる。DVDが出たら、買っちゃうだろうな。

2009年2月11日水曜日

病院のこと

“うめざわクリニック”へ行ってきました。場所は、町田のごく普通のマンションの一室。予約時間は夕方で、混んでいる、という話だったが、待合室に患者はおらず、私達の受診の前後に見かけた患者はいなかった。治療室に通されて、ざっと私の病状を聞いた後、先生から「腹膜まで転移している膵臓がんは治せません」という結論を先に宣告されたが、それでも「こちらを受診した場合、どういう治療をしてもらえるのか?」と尋ねたところ、以下のような返事だった。

1)まずは、ジェムザールとTS-1による標準治療。毎回、腫瘍マーカーを計り、ジェムザールの投与量 は、細かくコントロールする。CTは月1回撮影。ジェムザールは3週1休ではなく、10日ごとに月3回投与するという。

2)標準治療が効かなかった場合、膵臓がんには保険適用不可だが、他の部位の癌治療には適用されている、以下の抗ガン剤を、患者の全額自己負担で使用できる。
 →ゼローダ、エスプラチン、オキサリプラチン、イリノテカン、ナベルビル、タルセバなど。望めば何でもOKのようだ。

3)山手線の大塚駅近くにもクリニックがあり、そこでの受診も可能。先生は週2回、そこで患者を診ている。ここのクリニックでは、以下の癌の代替療法も行っている。
 →ハイパーサーミア療法、ビタミン点滴、針治療など。

普通の病院では受けられない様ながん治療を、ひとつの病院で受診できるところに魅力を感じた。保険適用以外の治療を受けるかどうかの判断は、自己責任によるものだし、高額なので懐具合との相談にもなるが、私としては、転院orがんセンターとの並行受診も含めて検討したいと思う。
どこの病院へ行っても「治りません」という答えは同じで、使用できる抗ガン剤の種類が増えたところで、体に負担が増えるだけの延命治療だが、選択肢を広げられるという可能性は、私にとって精神的な安心感につながった。最終的に、標準治療以外やらなかったとしても、この病院の存在を知って良かったと思う。
また、私の発病は、実質的には昨年6月で、ジェムザールを始める12月までの半年間、無治療だったのに、
現在この状態でいられるとは「膵臓がんにしては、進行の遅い種類なのかも」と、ちょっとい嬉しいことを言われた。
ガンを告知されて以来4ヵ月半、いろいろな病院や治療法を探して悲喜劇を繰り返してきたが、なんだかこれで一段落したかんじだ。もちろん、ネットや新聞の情報はウォッチし続けるが、これからはもう、治療以外の時間を、どう有効に使うかということに軸足を置いた生活をしていこう。

2009年2月10日火曜日

微熱

6日以来、ずっと微熱状態が続いている。おとといは、急に痛みが強くなってしまい、耐え切れずに自己判断でモルヒネを倍にしてしまった。病状が急に悪化してしまう危険があるので、予断を許さない毎日だけど、寝たきりは精神的に悪いと思い、少しでも具合が良ければ、起き上がって行動するようにしている。
昨日、以前の職場の先輩の早期退職のための送別会があり、四谷まで行った。電車で往復できるのか不安だったので、こんなときは、気軽にタクシーを使える距離に住んでいないことが呪わしい。四谷近辺は、以前はアフレコや仕事の打ち合わせで、よく通った場所だ。その時々に、一緒に仕事をした人たちの顔を思い出しつつ、四谷の交差点に立ちながら、またここに来れることがあるだろうか、とふと思う。
退職された先輩は元気そうで「しばらくのんびりしたい」と話していた。他にも、久しぶりの顔ぶれに会えて嬉しかったけれど、驚いたのは、私より10歳年下の後輩女性の一人が、松葉杖をついていたこと。昨年12月に、骨肉腫の手術をしたとのことだった。手術は成功して、もう職場復帰していたが、若くても癌になるんだ、ということを身近にいた彼女の例を見て、改めて実感してしまった。戦ってるのは自分一人ではないのだから、粛々と頑張ろうと思う。
それにしても、刺激を受けることや人に会うことが、体調に与える変化の大きさに驚く。パーティの最中は、痛みを感じなかったし、むしろ出かける前より元気になった。この方法は、今後も使えるテクニックだと思った。やはり映画も見に行こう。

それにしても、現在の自分の客観的な状態がわからない。次にCTを撮るのは2月23日の予定。いったい、私の体の中は、今どうなっているんだろう。

2009年2月6日金曜日

悪化か・・・。

暖かくなってきたし、たまには「元気はつらつ」とでも書きたいのだが、昨日から、急に体がほてって汗だくになることが頻発している。腫瘍が熱を持っているらしい。夕べは、左足が痺れて動かなくなった。今日、少し外出したのだが、足元がおぼつかなく、自力歩行に困難を感じて、すぐに帰宅した。とりあえず、寝よう。

2009年2月5日木曜日

ダウン

4日間、連続で外出したためか、本日は疲労でダウン。一日中、寝ていた。やはり毎日動き回るのは無理のようです。ジェムザールとモルヒネで痛みをごまかしているが、昨日の血液検査のCRP(炎症度)は、1.3まで上がっていたし、病状は悪化しているのかもしれない・・・。ここ最近、体調が良い気がしていたが、それは私の勘違いの可能性も高い。油断せずに、気をひきしめて生活しよう。
ところで、考えてみると、私の発病時期って正確にはいつなのだろう? というのも、ガンを告知されたのは昨年9月末だが、腹痛で受診し、膵炎と誤診されたのは、その3ヶ月前の6月末。誤診されなければ、7月には、膵臓がんだと判明していたことだろう。仮に7月をスタートだとすると、私は発病して8ヶ月目になる。生存期間は平均値がすべてではない、とはいえ、この状況で私は暢気に構えすぎではないだろうか? 正直、病気のことを考えるのも疲れてしまって現実逃避している部分もあるのだが、もう少し危機感を持とう。

米原万里さんの「打ちのめされるようなすごい本」という本を買った。彼女の癌の闘病記部分を読むためだ。代替医療体験記は、かなり興味深かった。免疫療法、温熱療法、針治療、食事療法などなど、目についたものは片っ端から試している。結論をいえば、すべて効かなかったのだが、米原さんのような才女でさえ、いざ癌になれば藁をもすがるのだ。ましてや自分は、と引き比べて、変な慰めを得る。

ところで最近、いろいろ面倒な手続きや書類を書くことを、とても負担に感じるようになってきた。これも気力の低下だろうか。。

・入院保険やがん保険:書類の取り寄せ→病院への申請→受け取り→発送。
・傷病手当金請求書:病院への申請→受け取り→発送。
・介護保険の契約:ケアマネとの契約、レンタルグッズの契約など。
・高額医療の払い戻しの請求:領収証を集めて計算して、市役所へ出向く。
・更に、ホスピスの病院探しと予約&下見。(当然ながら、とても嫌)
・ついでに遺言書も、ぼちぼちと書く。

今はまだ、自分で処理できるからいいけれど、悪化して自分でできなくなったときを思うと気が重い。高齢で高等教育を受けていないウチの両親では対処できないから、別に所帯を持って生活している妹に連絡して頼むしかないのだが、それもまた資料を揃えて一から説明しなければならない。私は、4つの保険会社に入っていたため、自分でもよくわからなくなっているくらいなのに(笑)。世間には、自分では対応できない老人もいっぱいいるだろう。こういう事務処理を代行してくれる機関って、調べればあるのだろうか?

2009年2月4日水曜日

これが限界か

昨日は、昔の職場のメンバーでの飲み会に参加。終始笑ってばかりの、大変楽しい時間だった。そのまま、夜は新宿の小田急センチュリーホテルに宿泊。綺麗でいいホテルでした。もうちょっと値段が安ければ、もっといいホテルなんだけど、場所が一等地だから仕方ないか。朝、チェックアウトしようとしたら、ロビーにはアジア系の家族連れがあふれていた。こんな時期に日本へ家族旅行とは、お金持ちだよなぁ。そんな人たちを見ながら、チェックアウトしたあと、がんセンターへ向かう。新宿から大江戸線に乗れば、築地市場まで、とても近いことに驚く。

そして今日、とうとう私のがんセンターに対する見解が出ました。がんセンターは、標準治療で治る患者以外、診る気はありません。それは担当医のせいでもなく、病院のスタンスです。ホスピスはないし、物理的にも最後までケアできるキャパがある施設ではない。ということを明確にして、患者にも世間にも公表するべきだと思う。そうしないから混乱をまねくし、勘違いして受診する患者が後をたたないのだ。TVで、がんセンターが、あたかも最後まで患者をケアする病院のような番組を報道しているのも、ますます誤解を招く。私はまだ、標準治療ができる段階なので、放り出されてはいないけど、時間の問題でしょう。次の手を考えなくては。

今日の外来には、看護士さんに同席してもらった。1月の私の腫瘍マーカーは計られてもいなかった。「腫瘍マーカーを重視していないから」と先生は言うけど、抗ガン剤治療が効いてるかどうかをみるのに、判断材料は腫瘍マーカーと画像診断しかないんだから、やってよ! 副作用の強い治療を受けるだけ受けて、効果がでてるかのチェックはしないなんて、一体どういうこと。忘れた、とかのレベルではなく、確信犯としてやらないのだ。ジェムザールが効いてても効いてなくても、先生は、どうでもいいってことです。「こりゃ、もうだめだ」という脱力感に襲われました。別に、ひとつの病院で一人の先生だけの判断にゆだねなきゃいけない決まりはないわけだから、他にも平行して診てもらえる病院を探そう。

2009年2月3日火曜日

旅行

一昨日&昨日と1泊で、伊豆の今井浜東急リゾートへ出かけてきました。私にとって、プチ冒険だったけど、無事に旅行を終えることができて、一安心。オフシーズンのせいか、普段は高額なホテルにリーズナブルな価格で(1泊2食2名で、一人約2万)泊まれたのもラッキーだった。河津桜は、一部咲きといったところで、まだちょっと早かったけど、一足早い春気分を満喫してきました。河津駅近くの“吉丸”という食事処は、おいしくて安くてお勧めです。これからも、できるだけ旅行したい。欲を言えば、海外へ。

それと、友人からの薦めで、町田のうめざわクリニックを予約した。ガンの最新療法で、最近注目されているクリニックらしい。まだまだ「座して死を待つ」ほど、達観できていないので、万が一の奇跡でも、どんな治療法があるのか望みをかけて、行ってみます。

相変わらず痛み止めは手放せないけれど、今ぐらいの状態なら、無理をしなければ、日常生活は支障なく過ごすことができる。せめて、この状態が長く続いてくれますように。明日は久しぶりに、がんセンターの外来通院です。